Vibe CodingでMac用テレプロンプターを作った:小さな道具こそ、きちんと仕上げる価値がある
動画を撮る人の多くが、一度はジレンマを感じたことがあるはずだ。原稿を目で追うと、表情や目つきが硬くなる。かといって原稿をまったく見ないと、話の途中で詰まってしまう。テレプロンプターは、この矛盾を解決するための道具だ。私はVibe Codingで、この一点だけを担当するMac用の小さなアプリを作った。
AIのローカルモデルで自動送りを実現する、字幕テレプロンプターだ。話す内容を入れておけば、収録中に表示してくれる。表示は自動で進むので、話しながら手動でスクロールを操作する必要はない。モデルはMac上で動くため、原稿表示のために素材をクラウドへ送る必要もない。
まず「原稿を送る」という一つのことを滞りなく
多くの道具の問題は機能の少なさではなく、いちばん中心となる工程が滑らかに進まないことにある。テレプロンプターは特にそうだ。カメラと話し手の間に立つ道具だから、一度の引っかかり、遅延、操作の中断がそのまま収録に残ってしまう。
だからこのアプリの最初の目標はとても狭い。表示が語りに合わせて進み、道具の面倒を見るために意識を割かないこと。自動送りの価値はここにある。表示が語りについてくるので、手で操作する必要がなく、注意力を内容とカメラに戻せる。画面やボタン、設定は、すべてこの一歩に奉仕するものだ。
モデルをローカルに置くのは、代償のある選択だ
AIモデルを端末に置く最大の利点は、処理が自分のマシン上で完結することだ。原稿表示のための処理も手元で完結するので、収録素材を先に送る必要がなく、待ち時間や気がかりも減る。ネットワークの状況が、表示が進むかどうかの前提になりにくいのも大きい。撮影現場で即時性が求められるテレプロンプターにとって、この選択は理にかなっている。
代償もはっきりしている。ローカル推論はマシンの計算能力を使うため、このアプリはAppleシリコンのMacだけを対象にしている。「どのパソコンにも入る」汎用ソフトではなく、特定のハードウェアで体験を滑らかにする小さな道具だ。誰に届けるのか、どのマシンで使えることを保証するのかを知っているほうが、すべての環境に対応しているふりをするより現実的だ。
原稿送り以外に、なぜ美肌とフィルターを足したのか
「何を話すか」だけでは、すぐに撮影に使える道具にはならない。原稿を見た人は、次に画面の見た目を気にする。肌の色、光、全体の質感だ。それを別のソフトで補わなければならないなら、流れは二つに切れてしまう。
そこで原稿送りに加えて、美肌とフィルターを入れた。機能を足したように見えて、実は使用経路全体を埋める判断だ。表示を見る、話し始める、撮影した画面をそのまま使えるところまで、できるだけ一つのアプリで完結させる。道具が使いやすいかどうかは、機能一覧の長さよりも、最後の工程で人を振り出しに戻さないかで決まることが多い。
オープンソースは、「自由に遊んでいい」を実際のものにする
コードはすでに公開していて、リンクは動画の概要欄に置いた。AppleシリコンのMacを使っている人は、自由にダウンロードして遊んでほしい。これをベースに改変したい人も、自由にどうぞ。
こうした小さな道具には、オープンソースがよく合う。原稿送りの需要は分散している。顔出しのトーク動画を撮る人、講座を録る人、たまに一度だけ共有したい人。求める画面も細部もそれぞれ違う。私一人ですべての場面を用意することはできないが、コードが公開されていれば、誰もが自分の必要に合わせて変えられる。「公式版」を待たなくていい。
もちろん、商用サポートを約束する製品ではない。自分で手を動かせる人に向いている。ダウンロードして使い、合わないところは直せばいい。Vibe Codingはアイデアをプログラムにする敷居を下げた。だが、その道具に価値があるかどうかを決めるのは、結局、一つの具体的なことを最後までやり切り、滑らかにできるかどうかだ。
AppleシリコンのMacを使っているなら、動画の概要欄からリンクを取ってほしい。小さな道具は世界を変えなくていい。一度詰まるのを避け、撮り直しを一回減らせたなら、それだけで十分だ。

